3.11とディズニーの「毎日が初演」

今日は3.11。震災から1年、震災による影響はまだまだ収まらず、復興にはまだまだ時間がかかる。そんなことを実感した日だった。

3.11の震災以降、「絆」というキーワードが多く登場している。「ルフィの絆力」「ディズニーの絆力」という書籍も販売されており、震災により気づいた、人々の絆の大切さを再認識することを訴えるタイトルであると伺える。

昨日、書店でそんなことを思いながら、「ルフィの絆力」「ディズニーの絆力」の書籍を目にした。どちらを買おうか迷ったが、リッツカールトンの日本支社長である高野氏が推薦していると帯に書いてあったのもあり、「ディズニーの絆力」にした。今日から合間に少しずつ読んでいる。

私は妻と出会って以来、ディズニーとかかわる機会が非常に増えた。妻と出会ってそろそろ4年経つが、ディズニーへは100回以上足を運んでいると思う。ディズニーで結婚式(FTW)も行ったし、ディズニー関係の仲間も増えた。ディズニーに関する書籍も何冊か読み、年間パスポートも持っているし、今でも妻と一緒にディズニーで思い出を積み上げている。

そんな生活の中で、ディズニーには「毎日が初演」という考え方があることを知った。

私はディズニーの理念である「毎日が初演」というのは「ショーに出演する人に適用される理念であり、毎日、初日のような気持ちでゲストに対して演技する」という「演技するときの心構え」だと思っていた。

「ディズニーの絆力」をパラッと読んだだけで、それは違っていたと気付かされた。

ディズニーは毎日、ゲストがいなくなる夜遅くから次の朝、ゲストを迎えるまでに「ゴミ一つないオープンしたての輝いた環境」を作り上げる。毎日が年末の大掃除のように「徹底清掃」を行なっている。壁や天井、カーペットはもちろん、地面についたガムなども徹底的に落とす。こうして、10年経っても、20年経ってもまるでオープンしたての輝きを保っているのだそうです。

ウォルトが「10年経っても、20年経ってもまるでオープンしたての輝きを保ち、朝、ゲストを迎え入れる」という気持ちから、「毎日が初演」という理念を作り、「夜の徹底清掃」という活動が生み出されています。

さて、私たちの仕事場に置き換えるとどうなるでしょうか。私達がお客様を自社に迎え入れる時に、壁やカーペットが汚れ、ゴミが落ちていたらお客様はどう思うでしょうか。私達が掲げる理念に反していないでしょうか。ゴミが落ち、壁や机、カーペットやドアノブが汚れた空間を見て、この企業を信用しようと思うでしょうか。

清掃はお客様を迎える「前」までに行うものであります。午前にお客様が来るのにお昼に清掃しているのでは間に合わないのです。つまりタイミングも重要となります。

ディズニーはそれを意識して徹底して行なっているというのが素晴らしいです。

弊社でも毎週掃除当番が決まっており、毎朝やることになっていますが、徹底できているかというと分かりません。それは私が確認していないだけかもしれません。ディズニーのような高い理想を忘れず清掃しているかというとそれも分かりません。弊社のLR HEARTにも「職場の清潔さを保つ」という価値観がありますが、もっと深く理解し、自然と行動が取れるようにする必要があると私は感じました。

「あなたが空しく生きた今日は、昨日死んでいった者があれほど生きたいと願った明日」という言葉がある。

3.11の犠牲者の方々が生きたかった今日を高い理想を持って生きるのか、空しく生きるのか。

「毎日が初演」という理念には、もっと深い意味があるのではないか。そんなことも思いました。

3.11の犠牲者の方々にご冥福をお祈りすると共に、早い復興を切に願いします。