プログラミングを継続する極意

プログラミングは、たまに、まとめてやっても、その価値は半減します。毎日プログラミングするからこそ意味があります。私は毎日のプログラミングを通じて、積み上げることの大切さを体感し、学ぶことができました。人様がたまにやることを、しょっちゅうやる。また、人様がときどき気にかけることを、いつも気にかける。そういう考え方でプログラミングを続けてきました。
継続してプログラミングをする習慣を定着させるためには、プログラミングの基本があります。その基本を大きく分けますと、次の三つが挙げられます。

  1. プログラミング道具をキチンと揃える。
  2. プログラミング道具の置き場所を決める。
  3. 工夫しながらプログラミングする。

以上のことが周知徹底できるようになりますと、プログラミングをする習慣が自然に定着するようになります。この基本は、いずれも大切な事ばかりですので、一つ一つについてもう少し詳しく述べてみます。

プログラミング道具をキチンと揃える

プログラミングの大切さを十分認識されている人でも、案外、プログラミング道具には無頓着な人が多いのではないでしょうか。汚れた道具がそのまま放置してあったり、使用不能の道具が手直しされないままいつまでも置かれていたり、必要な道具が必要数揃っていなかったり・・・。
こういう状態でプログラミングを続けても、なかなか定着するものではありません。
プログラミングを継続するためには、まず、キチンとした道具を揃えることが何よりも優先すべき大事なことです。できれば、少々贅沢と思えるくらい上質の道具を多めに揃えることをお勧めします。
次に、できれば道具の一つひとつに、名前をつけることをお勧めします。道具に名前をつけることによって、紛失を未然に防ぐ効果があります。また、名前をつけるということは、道具に命を吹き込むという意味もあります。命が吹き込まれた道具には血が通い、物は生きているという実感がしてきます。そうなると、物を大切にするようになり、道具に愛着が湧いてきます。結果において、道具を乱雑に扱わなくなります。

プログラミング道具の置き場所を決める

道具が揃ったら、設置ルールを決めて、プログラミング道具置き場を設置することです。
普通、プログラミング道具の置き場所は、見つけにくい所やディレクトリの奥深くに、隠すように設置してある場合が多いのではないでしょうか。私の場合は逆で、できるだけ誰からも見えるところに置くようにしています。こうしておきますと、汚くなりがちなプログラミング道具の置き場所がきれいな状態で維持されるようになります。
プログラミングを進める場合、置き場所の整理整頓が大切な要素となります。つまり、必要なものをひと目で「誰でも分かる」「誰でもすぐに使える」「誰でもすぐに戻せる」仕組みにすることです。
ペアプロするプログラマの中には、このプログラミング道具の置き場所を目にしただけて感動される人がかなりいらっしゃいます。プログラミング道具の種類と整理整頓にびっくりされるのだと思います。
道具の中には、独自に開発したものもいくつかあるものですから、譲ってほしいと訪ねてこられる人もかなりいます。

工夫しながらプログラミングをする

プログラミングが続かない大きな原因の一つに、工夫がされていないということがあります。プログラミングを継続するためには、たえず工夫改善して進歩することです。そのうえで、コツコツ努力することです。少しでも進歩すれば、楽しくなります。楽しくなると、続けたくなります。進歩が目に見えないことはなかなか続かないものです。
たとえば、.zshrcです。毎回入力する長いコマンドに嫌気を感じaliasを加えてたったの数タイプのコマンドで同じことができるようになります。これはタイプ数が少なくなっただけではありません。時間と心に余裕ができるのです。
さらに、いつまでも同じ範囲を同じ時間費やしてプログラミングしているようでは工夫が足りません。同じ範囲のプログラミングをするのであれば、効率を上げて時間を短縮するか、プログラミングの質を深める努力をすることです。逆に、同じ時間をかけてプログラミングをするのであれば、範囲を広げなければ進歩がありません。
私の場合、毎日プログラミングに費やす時間は同じです。したがいまして少しずつプログラミングの質が深まり、プログラミングの範囲が広がっているのが実情です。
プログラミングをするとき、私がとくに心がけていることは、範囲を限定してプログラミングを徹底するということです。
たとえば、バグを一つまずきれいにするとか、あるいは、一つのメソッドを徹底してリファクタリングします。そうしますと、汚いところと綺麗なところがはっきりしますので、それを放っておけない気持ちになります。
同時に、プログラミングがやりやすくなります。一遍にやろうとしても決してできるものではありません。やってもすぐ元に戻ってしまうだけです。
もちろん、道具の工夫も忘れてはならない大事なことです。不便を感じた時点で、億劫がらず使いやすい道具に替える工夫がプログラミングを継続するエネルギーになります。

この文章の元

掃除道という書籍があります。弊社推薦図書となっています。その書籍の第2章「掃除を継続する極意」はプログラミングにそのまま置き換えられるなぁと思い書いてみました。

掃除道 会社が変わる・学校が変わる・社会が変わる

掃除道 会社が変わる・学校が変わる・社会が変わる

掃除道を書かれた鍵山さんに感謝です。