書評:Linuxの教科書
Linuxの教科書 改訂版 (マイコミムック) (MYCOMムック)
- 作者: 高町健一郎,大津真,佐藤竜一,小林峰子,安田幸弘
- 出版社/メーカー: 毎日コミュニケーションズ
- 発売日: 2011/03/31
- メディア: ムック
- 購入: 13人 クリック: 63回
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「システム管理者を対象に」Linuxの基礎、運用についての入門知識を得ることができます。「システム管理者を対象に」というところがポイントです。入門書なのですが、WindowsのGUIしか触ったことがなく一度もLinuxを触ったことがない人が一人で読み進めるには少しだけ抵抗があると思います。Linuxのインストール方法は書いてありませんし、シェルスクリプトについて書いてある章がありますが、エディタについての説明はありません。つまり、利用できるLinuxが手元にあり、エディタやターミナルの操作はとりあえず分かるというレベルの人向けなのかなと感じます。もし、Linuxを一度も触ったことがないという人の場合、Linux環境を用意してくれたり、エディタなどについて教えてくれる人が近くにいると良いと思います。コマンドなどは実際に手を動かして体験してみることが重要です。実際にコマンドをうち、スクリプトを実行しましょう。理解度がぐっと上がると思います。なので、教育機関や新人教育に向いていると思います。私はこの書籍を教育機関や新人教育に利用することには賛成です。Linuxの基礎的な知識が身につくと思います。
この書籍は何年も前に発売されたにもかかわらず、毎年のように売り上げランキングが高いようですので、教育機関や企業が毎年購入しているかもしれませんね。
私は初心者の頃、サーバをハッキングされたことがあります。会社に多くの損害を与えてしまいました。おそらくこのLinuxの教科書をしっかりと読んでいれば防げたハッキングです。Linux管理者一年生の皆さんが読んでおいて損はない本だと思います。
クラッカーの攻撃手段について書いてある節があります。初心者の方はクラッカーの攻撃手段を学んだ時、楽しくなってやってしまいそうなのですが、他人のサーバでは絶対にやってはいけませんよ。やるなら、自分のサーバかつ壊しても良いサーバです。ものすごい損害に繋がる可能性がありますからね。Linuxの教科書にも書かれていますが、不正行為の痕跡を調べられて、攻撃者の特定も可能ですから、ヤリ逃げしようとしても初心者では無理と考えて下さい。
Linuxの教科書には、Linuxの知識についてだけではなく、「システム管理のモラル」についても書かれています。Linux管理者はサーバの中では神です。物理的には、すべての情報へアクセスできます。それが、どんなにプライベートな情報で合っても、会社で読むことを禁止されているデータでもです。「こそっと読んじゃえばわからないよね」という悪魔のささやきの誘惑には負けないようにしてください。他の人は見ていなくても、自分自身は見ているのですからね。Linux管理者は高いモラルを持ってシステムを運用しましょう。
サーバとネットワークの性能管理の章はLinuxを数年管理している人でも重宝しそうな内容がかかれています。sar や iostat が示してくれる値について「この値は何を示しているんだっけ?」と忘れた場合、Linuxの教科書を見れば解決すると思います。
Linuxの教科書では、主にLinux単体について書かれています。L2やL3については書いてありませんので、ネットワークを包括したサービスの運用について知りたい場合は、他の書籍とあわせて学習する必要があります。
Linuxを管理していて、忘れてしまった部分があって「あれ?なんだっけ?」とググるのも良いのですが、手元にこの書籍があれば、忘れてしまっていた知識の周辺知識もあわせて復習できます。この春からLinuxに触れそうな新人の方々、Linuxの教科書はおすすめですよ。
Linuxの教科書 改訂版 (マイコミムック) (MYCOMムック)
- 作者: 高町健一郎,大津真,佐藤竜一,小林峰子,安田幸弘
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- メディア: ムック
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