Linuxの仮想化導入について検討してみた

what

サーバ構成で仮想化の実装を検討しているが、仮想化について知らなすぎるので知る。
具体的には、1つのサーバで2つのOS(Linux)をインストールして動かすという仮想化(ハイパーバイザ型)を実現したいと思っている。


結論

仮想化は良いと思う。メリットも多く、導入事例も多い。構築する環境によって、デメリットが大きくなりすぎるときはやらない方が良いと思うが、現在僕がやろうとしている環境では、問題なさそうな感じだ。インストールも簡単に行えそうで、多くのLinuxが対応している。
それでは、その結論に至った情報をいかにツラツラと書いてい行く。


そもそも仮想化とは?

仮想化 - Wikipedia

↑こちらのページに書いてあるとおり、リソースの抽象化を指す用語。
単一の物理リソースを複数の論理リソースに見せかけたりすることだ。
つまり、単一のサーバをあたかも複数のサーバであるかのように使える技術ということだ。


仮想化の使命

http://h50146.www5.hp.com/info/enewsletter/050721/spotlight/p2.html

仮想化は「コストメリットを出しながら、いかに一定のサービスレベルを維持していくか」が使命です。電気や水道と同じで「あって当たり前」のものを、いかに問題なく提供できるか。

「ホストOS型」と、「ハイパーバイザー型」

サーバ仮想化が絶好調なワケ――メリットは何か(前編) (1/2) - ITmedia エンタープライズ

ホストOS型とは、基盤となるOSの上に仮想化レイヤーを設け、それがアプリケーションとして動作し複数のゲストOSを実行するタイプ。例えば、 Windowsのホストの上でLinuxのゲストを動かすという形だ。また、ハイパーバイザー型は、WindowsLinux などのホストOSは存在せず、x86ハードウェア上に仮想化ソフトウェアを直接実装し、その上で複数のゲストOSを実行するタイプのこと。ホストOS型に比べ、比較的オーバーヘッドが少ないのが利点だ。

ホストOS型

ホストOS型とは、基盤となるOSの上に仮想化レイヤーを設け、それがアプリケーションとして動作し複数のゲストOSを実行するタイプ。例えば、Windowsのホストの上でLinuxのゲストを動かすという形だ。

ハイパーバイザー型

ハイパーバイザー型は、WindowsLinux などのホストOSは存在せず、x86ハードウェア上に仮想化ソフトウェアを直接実装し、その上で複数のゲストOSを実行するタイプのこと。ホストOS型に比べ、比較的オーバーヘッドが少ないのが利点だ。
VMware ESX/ESXiやMicrosoft Hyper-V、Citrix XenServer、IBM z/VMなどだ。


ハイパーバイザ - Wikipedia

ハイパーバイザは大別して以下の2種類があり、作成した仮想機械(バーチャルマシン)でそれぞれのOS(ゲストOS)を動かすことができる。

* ハードウェアの上で直接稼働する(後述のType 1。狭義のハイパーバイザ。専用OSの形のz/VMVMware ESX、ESXi、Xenなどや、ファームウェアの形のIBM LPARなど。)
* 他のOSの上で稼働する(後述のType 2。VMware Server など)

また、ゲストOSを修正せずそのまま稼働できる(ハードウェアを完全にエミュレートする)ものを完全仮想化、性能などの理由でゲストOSに修正が必要なものを準仮想化とも呼ぶ。

サーバリソースの利用率

https://www-304.ibm.com/jct03004c/easyaccess/jpgsind/contenttemplate/!!/xmlid=155603

サーバーだけでなく、 利用率の低いストレージ数の増加も顕著です。管理コストが膨らむ一方で、 データセンターにおける平均的なストレージ利用率は30〜50%程度と言われており、ムダなエネルギー・コストを生む要因となっています。

仮想化ソフトは消えていく | 日経 xTECH(クロステック)

企業で仮想化ソフトを使う主なメリットは,物理的なサーバーのコスト削減である。一般にファイル・サーバーやメール・サーバー,Webサーバーなどを個別のマシンで運用している場合,効率が悪い。各サーバーには平均すると30%から40%程度の負荷しかかかっていないからだ。

@IT Special:5分で分かる! サーバ仮想化のメリット

国内企業でも、調べてみると社内で1000台を超えるサーバが稼働していることが分かったというケースがあります。しかも、ほとんどの企業では、こうした部門レベルのサーバの利用率は10%程度で非常に低く、せっかく調達した資源が事実上遊んでいる状態になってしまっています。

仮想化のメリット

Googleで検索するといっぱい出てくる

TCO削減

単純に、サーバの台数、サーバ購入コスト削減、運用管理のための人件費が下がる。つまり ROI 上昇。

サーバリソースの効率化、有効活用

Xen (仮想化ソフトウェア) - Wikipedia

仮想マシン間でCPUやメモリなどの資源配分を指定することで、ニーズに応じて適切な資源を無駄なく割り当て活用できる。

可用性の向上

Xen (仮想化ソフトウェア) - Wikipedia

動作中の仮想マシンをほぼ瞬時に別ハードウェアに移動することができるため、ハードウェアのメンテナンスやアップグレードがサービスを停止せずに行える。

システム導入の単純化

あらためて理解する仮想化のメリット (1/2):EnterpriseZine(エンタープライズジン)

仮想化されたシステムでは、仮想サーバ・仮想ボリュームの追加や変更のとき、ハードウェアの考慮をする必要が少なくなる。これは、共有リソースに余裕があれば仮想上で追加や変更ができるからである。

投資サイクルの最適化

あらためて理解する仮想化のメリット (1/2):EnterpriseZine(エンタープライズジン)

未仮想のインフラでは、システムごとに監視を行う必要があった。一般的な監視内容は、「ハードウェアの死活監視」「リソース監視」「プロセス監視」「稼動や状態監視」「ログ監視」など多岐に渡る。一方、仮想化されたインフラでは仮想化ソフトウェア上で一元的にリソースを監視することが可能になる。同時に監視対象のハードウェア数も削減されるため、管理ポイントも減少する。また、インフラの管理を行う仮想化ソフトウェアは、継続して使用できるため、管理者は運用を長く続けるほど管理・運用方法、ノウハウ、ナレッジを蓄積することができる。

開発・テスト環境

仮想化技術を使うことで1台のサーバで複数の開発・テスト環境を用意できるので、別に専用のサーバを設ける必要がなく、実稼働しているサーバで開発・テストも可能になる

なるほど、同じスペックのサーバでテストできるということですね。仮想化処理が途中で入り、性能が少々劣化しても、あまり問題にはならないということでしょうか。

古いOSと古いアプリケーションを新しいサーバー上でそのまま動かし続けることができる

仮想化ソフトは消えていく | 日経 xTECH(クロステック)

サーバーを新しい機種に買い換えるケースにも仮想化は有効だ。サーバー・マシンを更新すると,OSやアプリケーションも新版に更新することになる。そうすると,それまで動いていたアプリケーションが動かなくなることがある。仮想化ソフトを使えば,古いOSと古いアプリケーションを新しいサーバー上でそのまま動かし続けることができる。

仮想化のデメリット

Google検索するといっぱい出てくる

処理負荷のピークへの対処が難しい

@IT Special:5分で分かる! サーバ仮想化のメリット

例えば経理関連のシステムでは、毎月の月末や期末にアクセスや処理の負荷が集中します。経理システムを専用のサーバ機で稼働している場合、膨大なコストをかけて、処理負荷のピーク時にも問題なく稼働するように、余分な処理能力を備えたハードウェアを調達しなければなりません。

仮想化ソフトは消えていく | 日経 xTECH(クロステック)

個別のマシンを1台に統合すると,サーバーのリソースを有効活用している分,特定のサーバー・アプリケーションの負荷が上がった場合に,サーバーの能力を超えてしまいやすくなる。そうなると,負荷が上がったアプリケーションを別のサーバーに移動させるなどの作業が発生してしまう。

運用管理が複雑する

@IT Special:サーバ仮想化のメリットを引き出す運用管理術

仮想環境がなければ、物理的なインフラ環境とその上で実行されるアプリケーションは、常に1対1のシンプルな関係である。そのため、なんらかのトラブルや、警告が発生した場合でも、その問題がどの物理環境で発生し、影響を受けるのはどのアプリケーションかはすぐに明らかになる。

ところが、仮想化技術を導入した場合は、物理層とアプリケーションの実行環境の間に仮想環境が入り、構成要素が増えるとともに抽象化される。そして、インフラを構成するさまざまな物理リソース(CPUやメモリなど)と関連するアプリケーションの関係は、入り組んだ複雑なものになるのだ。

仮想化のメリット、デメリット--仮想化技術をひも解く(2) - ZDNet Japan

仮想化層という新たなレイヤの管理をしなければならない。

仮想化でシステムを統合してしまったために、新たな苦労をすることもある。これは技術的というよりも、運用作業をスムーズに進めるための組織の体制の問題でもある。従来1つの物理的なサーバを1つのアプリケーションで利用していた際には、そのサーバのトラブルはそのアプリケーションにしか影響を与えなかった。これが仮想化により統合化されると、他のアプリケーションに影響を与える可能性もある。

仮想化処理が途中で入るので、性能が劣化する可能性がある。

仮想化のメリット、デメリット--仮想化技術をひも解く(2) - ZDNet Japan

仮想化の処理が必ず途中に入ることになり、性能が劣化する可能性がある。もちろん、仮想化技術が向上しているので、仮想化層が入っても性能劣化が少なくはなってはいる。とはいえ、現状では極めてシビアなトランザクション処理性能を求められるような場合には、仮想化を使わない方が得策かもしれない。

新しい技術なので不安である

サーバ仮想化が絶好調なワケ――メリットは何か(前編) (1/2) - ITmedia エンタープライズ

一方、サーバ仮想化の課題と問題について、導入前には「可用性、信頼性の確保」「性能が期待通りに出ない」「アプリケーションの互換性確保」「投資に見合ったコスト削減効果が得られない」など、信頼性やパフォーマンス、投資対効果などが想定課題として挙げられていた。しかし、導入後は、「想定していた課題が問題にはならなかった」とする回答が最も多い結果となり、導入前の不安に比べて導入後の満足度の高さがここにも表れた。

導入事例

Googleで検索するといっぱい出てくる

マツダ(2008/12/04)

VMwareを使ってサーバ台数を40%削減へ。マツダ、基幹システムで国内最大級の仮想化導入

NECとヴイエムウェアは12月4日、マツダが両社の支援を受け、大規模なサーバ統合プロジェクトを実施していることを発表

NECの発表資料

マイクロソフト(2008/10/14)

1年後には25%の仮想化導入を目指す - マイクロソフト仮想化戦略を発表

Microsoft 360 Virtualization」とは、「Windows Server Hyper-V」をはじめとする各種仮想化製品によって、サーバ、デスクトップ、アプリケーション、プレゼンテーションという全方位の仮想化を実現し、「Microsoft System Center」によって運用管理の集中化を実現するという仮想化戦略を指している。

ノベル、BMWグループでのXenによる仮想化をサポート

Press Room - About | Micro Focus

米国ノベル社(以下 ノベル、米国マサチューセッツ州ウォルサム)は本日、BMWグループが、仮想化ソフトウェアXenを統合したノベルの SUSE(TM) Linux Enterprise Serverを用い、同社データセンタにおけるワークロードの仮想化を実施、ハードウェアコストの削減とサーバ構築 作業の簡素化を実現していることを発表しました。

住友電工Xenによる仮想化でノベルを採用

Press Room - About | Micro Focus

ノベル株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:堀 昭一、以下 ノベル)は本日、住友電気工業株式会社(本社:大阪市中央区、社長:松本 正義、以下 住友電工)が、仮想化ソフトウェアXen*を統合したノベルのSUSE(TM) Linux Enterprise Serverを用いて有用性の高いプラットフォームのライフサイクル を延長するとともに、リソース利用の効率化によって追加的なハードウェア投資を最小化し、効率的なディザスタリカバリ拠点の構築を行っていることを発表しました。

VMware Infrastructure 3」を導入しPDMシステム用のサーバ群などを仮想化・統合高い安定性がサービス品質向上に貢献

http://www.networld.co.jp/vmware/user/server.htm(2007年10月22日)

ライブドア、SWsoftの仮想化技術を採用--OS仮想化ソフト「Virtuozzo」

ライブドア、SWsoftの仮想化技術を採用--OS仮想化ソフト「Virtuozzo」 - ZDNet Japan

livedoorレンタルサーバでは、SWsoftのOS仮想化ソフト「Virtuozzo」を使って数千規模の仮想環境を構築・運用管理。CPUやメモリ、ディスク、OSなどのリソースを仮想サーバに占有割り当てすることで、それぞれの仮想サーバは他のサーバによる影響を受けず、専用サーバのような環境として利用できる。

仮想化関連ニュース

米HP、企業向けITサービスに仮想化導入コンサルティングを追加(2007/01/26)

米HP、企業向けITサービスに仮想化導入コンサルティングを追加

仮想化技術導入のためのコンサルティングサービス「HP Virtualization Assessment Services」を発表

サーバ仮想化が絶好調なワケ――メリットは何か

サーバ仮想化が絶好調なワケ――メリットは何か(前編) (1/2) - ITmedia エンタープライズ

IDCジャパンの調査によると、サーバ仮想化技術を導入したサーバの出荷台数は今後急速に伸び、2006年には国内サーバ市場の7.4%程度だったものが、2011年には39.4%になると予測する。

サーバ仮想化技術導入企業は6割超

サーバ仮想化が絶好調なワケ――メリットは何か(前編) (1/2) - ITmedia エンタープライズ

仮想化ソフトウェアの採用が2004年頃から急上昇している。また、今後仮想化技術を導入する予定の企業も78%に達した。

共同利用の自治体システムを「VMware」で仮想化。コスト削減と信頼性・可用性の大幅向上を実現

北海道自治体情報システム協議会 | ネットワールド

北海道内の30町村・1団体で構成される北海道自治体情報システム協議会様では、行政システムの共同アウトソーシングを推進しています。各町村・団体の基幹業務システムをiDCに集約し、ITコスト削減や運用負担の軽減、行政サービスの向上などを図っていくのが狙い

ネットワン、サーバ仮想化導入支援サービスを提供開始

ネットワン、サーバ仮想化導入支援サービスを提供開始 | OSDN Magazine

ネットワンシステムズは2008年7月8日、VMwareを対象とする2種類のサーバ仮想化導入支援サービスを発表

日本仮想化技術株式会社、仮想化通信

「仮想化構築事例セミナー」のご案内 - 仮想化通信
http://virtualtech.jp/seminar080822

仮想化に特化した会社、情報発信ブログがあるんですねー。


代表的なハイパーバイザ型仮想化ソフト

Xen

仮想化ソフトは消えていく | 日経 xTECH(クロステック)
Xen (仮想化ソフトウェア) - Wikipedia

現在、FreeBSDLinuxNetBSDPlan 9Xenの上で動作する。

 仮想化ソフト「Xen」は,小規模なLinuxサーバーで使われることが多い。既に米Red HatRed Hat Enterprise LinuxFedora Core),米NovellSUSE Enterprise Linux Server,openSUSE)のLinuxディストリビューションに含まれており,標準で利用できる。商用Linuxだけではなく,Fedora Coreなど無償で利用できるLinuxでも簡単に使える。
 このほか,大規模なホスティング・サービスに使われている仮想化ソフト「OpenVZ」の商用ソフト版である「Virtuozzo」も,クララオンラインが運営するサーバー・ホスティングで,VPS(Virtual Private Server)サービスを構築するために利用されている。

VMware ESX, VMware ESXi

VMware - Wikipedia

対応OS Microsoft Windows
Linux

VMware ESX同様、ホストOS環境を必要としないハイパーバイザ型の仮想化OSである。

z/VM

z/VM - Wikipedia

z/VM(ゼットぶいえむ)とは、IBMが製造・販売しているメインフレーム用のオペレーティングシステムの1つである。商用では世界初の仮想化OSであるCP-67やVM/370から続く、VMファミリーの最新OSでもある。