動画配信サービス提供に必要な回線速度(帯域幅)を知る

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動画や音楽配信を目的としたWebサービスを開始しようとする場合、やはり気になるのは、回線速度です。

どうやって見積もっているのでしょうか。

それを考えたいと思います。

さくらインターネットの専用サーバーの配信能力を知る

えー。どこから手を付けて良いか分からないので、さくらインターネットが提供している専用サーバーの回線速度を見て、どのくらいの配信能力があるのか見てみましょう。

専用サーバ
http://server.sakura.ad.jp/dedicated/merit.html

サーバはエントリーからアドバンスドプランまで10モデル、インターネット回線は10Mbpsから1Gbps接続 までベストエフォートと帯域専有型があわせて5種類、OSも無料・有料あわせて7種類から選べる充実のサービスメニューです。

>インターネット回線は10Mbpsから1Gbps接続 まで

これはどういうことでしょうか。


bps帯域幅)とは

そもそもbpsとはなんでしょうか。

こちらに、
bps(ビット毎秒)とは - IT用語辞典

通信回線などのデータ転送速度の単位。ビット毎秒。1bpsは1秒間に1ビットのデータを転送できることを表す。1kbps(1キロbps)は1000bps、1Mbps(1メガbps)は1000kbps(100万bps)である。

なるほど。では、1Mbpsの回線だった場合、50Mbyteの動画を配信する場合、ダウンロードに50秒かかるということですね。

1Mbpsの回線では、1Mビットが1秒です。
8ビットで1バイトなので、

1 / 8 = 0.125M

つまり、1秒に0.125M の転送速度があります。

ですから、
1Mbpsの回線だった場合、50Mbyteの動画を配信する場合、ダウンロードに400秒かかるということですね。

50M / 0.125M(秒) = 400

ということですね。


もちろん、
1Mbpsの回線だった場合、5Mbyteの動画を配信する場合、ダウンロードに40秒かかるということです。



1Mbps(帯域幅)の回線で、50Mbyte(5分間の動画)の動画をダウンロードすると仮定する

1Mbps(帯域幅)の回線で、5Mbyte(5分間の動画)の動画をダウンロードすると仮定する

では、50Mbyteの動画を見るために、50秒間ダウンロードを待たないといけないのでしょうか。
では、5Mbyteの動画を見るために、40秒間ダウンロードを待たないといけないのでしょうか。

ストリーミングに似たプログレッシブダウンロードという技術を使えば、そんなことはありません。


http://www.adobe.com/jp/devnet/flash/articles/create_flashvideo_03.html

SWFファイルとは別に作成された、FLV ファイルを Web サーバーからダウンロードしながら再生するタイプの方法です。

この技術を使えば、ダウンロードしてから1秒で1Mbyte分ダウンロードされます。その1Mbyteをすぐ見ることができますので、ユーザーはストレスをためることはありませんね。

50Mbyteで5分と仮定していますので、1Mbyteで再生できる秒数は、
5Mbyteで5分と仮定していますので、1Mbyteで再生できる秒数は、

50000000byte / 300秒 = 166666.667byte(1秒分)
1秒 は 166666.667byte です。
1秒で1M(1000000byte)ダウンロードできるわけですから、
1000000byte / 166 666.667byte(1秒分) = 5.99999999秒分
5.99999999秒分見れることになります。


5000000byte / 300秒 = 16666.6667byte(1秒分)
1秒 は 16666.6667byte です。
1秒で0.125M(125000byte)ダウンロードできるわけですから、
125000byte /16666.6667byte(1秒分) = 7.49999998秒分
7.49999998秒分見れることになります。

5.999999997.49999998秒分みている間に、どんどんダウンロードされますので、最初に1秒間のダウンロードが終わったら、理論上、その後は動画が止まらないと言う事になりますね。
ということで、50Mbyteの動画を1Mbpsの回線で配信するのは問題ないということになります。
5Mbyteの動画を1Mbpsの回線で配信するのは問題ないということになります。


2人が同時にアクセスしたら、ダウンロードは遅くなるのか?

先ほどの検証は、505Mbyteの動画ファイルに対し、1人がアクセスした場合を想定しました。
Webでサービスを展開している場合、2人や3人同時にアクセスする可能性は大いにあります。

では、2人同時にアクセスした場合はどうなるのでしょうか?2分の1のダウンロードスピードになるのでしょうか?


こちらに、
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通常は「1 秒間に何ビット送受信することができるか」を表す尺度として用いられ、bps【bits per second】(bit/秒)と言う単位で表します。ただ、「帯域幅が 広い」「帯域幅を使う」などと、速度とは少し異なった使い方(意味は同じですが通常車の速度が広いなんて表現しませんよね)をすることもあるので注意が必 要です。例えば、帯域幅は管の広さ、送受信データはその管を流れる液体と考えてみてください。管の幅が広ければ広いほど、一定時間に流すことが出来る液体 の量は増えますよね。流すことが出来る液体の量が増えるということは、「液体を流す速さが速い管」ということになります。転じて、「帯域幅が広い」は 「データ転送速度が速い」という意味で使われています。


つまり、2人同時アクセスした場合、配信能力は半分になるということです。

では、計算してみましょう。


50Mbyteで5分と仮定していますので、1Mbyteで再生できる秒数は、

50000000byte / 300秒 = 166666.667byte(1秒分)
1秒 は 166666.667byte です。
1秒で1M(1000000byte)ダウンロードできるわけですから、
1000000byte / 166 666.667byte(1秒分) = 5.99999999秒分
5.99999999秒分見れることになります。

5000000byte / 300秒 = 16666.6667byte(1秒分)
1秒 は 16666.6667byte です。
1秒で0.125M(125000byte)ダウンロードできるわけですから、
125000byte /16666.6667byte(1秒分) = 7.49999998秒分
7.49999998秒分見れることになります。

これが1人分の限界でしたね。


2人同時にアクセスするわけですから、

1秒間で5.99999999秒分配信できた能力は半分になり、

5.99999999 / 2 = 3

1秒間に約3秒分配信できる能力になります。
1秒間で7.49999998秒分配信できた能力は半分になり、

7.49999998 / 2 = 3.74999999

1秒間に約3.7秒分配信できる能力になります。

これなら、まだ動画は止まらないはずです。

しかし、3人、4人同時と増えたらどうでしょうか。

6人になると、

5.99999999 / 6 = 0.999999998

1秒間に0.999999998秒分しか配信できなくなり、動画が途中で止まってしまうことになります。
8人になると、

7.49999998 / 8 = 0.937499998

1秒間に0.937499998秒分しか配信できなくなり、動画が途中で止まってしまうことになります。


つまり、

1Mbps(帯域幅)の回線で、50Mbyte(5分間の動画)の動画をダウンロードすると仮定した場合、
同時アクセスは5人が限界。

1Mbps(帯域幅)の回線で、5Mbyte(5分間の動画)の動画をダウンロードすると仮定した場合、
同時アクセスは7人が限界。


ということになります。


注意として、
ただ、これはサーバー側の帯域幅しか見ていませんので、サーバーの能力やクライアントマシンの能力、
ユーザーのダウンロード速度、ケーブルの距離や種類、動画自身通信速度などにも左右されますので、一概に言えません。

あくまで目安です。


ここまで調べただけでも、YouTubeニコニコ動画はものすごい帯域幅を必要とすることに気付きます。
そりゃ回線料金がかさむわ・・・。



.MOVファイルをFlvファイルに変換したときに、画質をしっかりと保持する - 基本へ帰ろう
こちらも参考になるかもしれません。



1Mbpsの帯域幅505Mbyteの動画を設置して、その動画に1日3000アクセスと推定するとどのくらいの能力が必要なのか知る

まず、単純に1秒間に何アクセスあるか出してみましょう。


3000 / (60 * 60 * 24) = 0.0347222222

1秒間に0.0347222222アクセスです。


だいたい30秒に1人のアクセスとなりますね。


これなら、50Mbyteの動画は50秒で配信されるわけですから、全然問題ないということになります。
最大で2人同時アクセスです。
1Mbpsで50Mbyteの動画は5人アクセスまでいけるはずでしたよね。

これなら、5Mbyteの動画は40秒で配信されるわけですから、全然問題ないということになります。
最大で2人同時アクセスです。
1Mbpsで5Mbyteの動画は7人アクセスまでいけるはずでしたよね。


しかし、24時間均等なわけありません。



では、例としてアップロード後3時間の間に全体の3/1のアクセスがあったと仮定します。

つまり、1000アクセスです。

1000 / (60 * 60 * 3) = 0.0925925926


1秒間に0.0925925926人です。


あれ?けっこう余裕ですね。


だいたい10秒に1人のアクセスとなりますね。


動画ダウンロードに50秒ですから、同時アクセス最大5人ということになります。
ギリギリですね。

動画ダウンロードに40秒ですから、同時アクセス最大4人ということになります。
もうすこし行けますね。


さくらインターネット専用サーバで計算してみる

さくらインターネットサービスのアップグレード・追加について | 機能・オプション紹介 | さくらインターネット
こちらの一番安い10Mスタンダード(共有)では、
の帯域は1.66Mbpsですから、これまでの計算だと、

「50Mbyteの動画を配信して、その動画に1日3000アクセスと推定」

「5Mbyteの動画を配信して、その動画に1日3000アクセスと推定」
する場合、にはあまり問題ないということになりますが、
同時アクセスがどのくらいになるかがカギですね・・・・。


しかも、一番安いエントリープランだと帯域が共有回線としか書いておらず、具体的な数字がなく分かりません。


トラフィックレポートがありますので、
まず、エントリーではじめて、帯域が足りなそうだったら、回線プランを変更するという形がよさそうですね。


つっこみ大歓迎

えー。このエントリはあまり詳しくない帯域幅について調べました。
つっこみ大歓迎です。コメントやブクマのコメント、直接メールいただいても構いません。